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命の森やんばる訴訟判決,やんばるの開発をすすめる沖縄県に警鐘

 

命の森やんばる訴訟判決,やんばるの開発をすすめる沖縄県に警鐘

 

2015年3月18日,那覇地方裁判所において命の森やんばる訴訟の判決が出ました。 

判決PDF 命の森やんばる訴訟 判決

判決別紙 https://www.sugarsync.com/pf/D6438775_648_6967406949

これは,やんばるの亜熱帯雨林の生態系に悪影響を与える林道事業について公金支出の差し止めを求めた訴訟で,2007年に提訴して以来審理が行われてきた住民訴訟です。

判決では,林道事業が7年以上休止をしていることなどから,今後公金が支出されることが予測されるとはいえないとして,訴えを却下しました。

しかし,判決では,沖縄県が現状のまま休止中の林道開設事業を再開すれば,「社会通念上これを是認することはできず,社会的妥当性を著しく損ない,裁量権の逸脱・濫用と評価されかねない」と判示しており,実質的には事業の再開はできない旨を示したものといえます。

また,判決はやんばる地域の生態系の価値を高く評価しており,沖縄県が一方でやんばる地域を世界遺産登録を推進する政策をとっていることから,これと矛盾する林道事業を継続することに疑問を投げかけています。

沖縄県としては,上記のような判決内容を重く受け止め,やんばる地域の自然保護,自然を生かした地域の経済的発展に政策転換することが求められます。

 

詳細は以下のURLをご覧ください。

 

弁護士・喜多自然

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◆沖縄タイムス http://www.okinawatimes.co.jp/article.php?id=107826

 

◆琉球新報 http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-240520-storytopic-1.html

 

◆QAB http://www.qab.co.jp/news/2015031864180.html

 

◆RBC

http://www.rbc.co.jp/news_rbc/%E5%8C%97%E9%83%A8%E6%9E%97%E9%81%93%E5%B7%A5%E4%BA%8B%E5%B7%AE%E3%81%97%E6%AD%A2%E3%82%81%E8%A3%81%E5%88%A4%E3%83%BB%E4%BD%8F%E6%B0%91%E5%81%B4%E4%B8%BB%E5%BC%B5%E9%80%80%E3%81%91%E3%82%8B/

2015年03月26日(木)

3月18日【命の森やんばる訴訟】の判決及び報告会について

 

◇命の森やんばる訴訟 判決

日時:2015年3月18日(水) 14時

場所:那覇地方裁判所

◇報告会について

タイトル:(仮)世界自然遺産登録とやんばるの森の未来

日時:3月18日 午後6時30分~8時30分

場所:沖縄県立博物館・美術館 博物館講座室

参加費:無料

報告者(各20分)
市川守弘弁護士:命の森やんばる訴訟、判決報告
喜多自然弁護士・赤嶺朝子弁護士(やんばるDONぐり~ず共同代表):(仮)やんばるの森の現状、14年度の伐採地視察報告
(仮)奥間川流域保護基金:(仮)トラスト運動の現状と課題
金井塚務氏(広島フィールドミュージアム):生物多様性条約、世界自然遺産登録、やんばるの森保護のために何が必要か

質疑、ディスカッション等

2015年03月10日(火)

国頭村長・国頭村議会議長・国頭村森林組合に対してやんばるの森林伐採をやめるよう抗議声明を出しました

 

 当事務所の喜多と赤嶺が代表を務めるやんばるDONぐり~ず、日本森林生態系保護ネットワーク(CONFE Japan)、命の森やんばる訴訟原告団、命の森やんばる訴訟弁護団の連名で、国頭村長、国頭村議会議長、国頭村森林組合に対し、やんばるの森林伐採をこれ以上行わずに保護・保全するように求める抗議声明を送りました。

 沖縄県知事、環境大臣、林野庁長官宛にも送付しています。

 以下、抗議声明の全文及び添付資料(写真)です。

 

 

抗 議 声 明

 

2014年12月16日

国頭村村長  宮城 久和 殿

国頭村議会議長  金城 利光 殿

国頭村森林組合 代表理事組合長 西銘 生喬 殿

 

(参考送付先

  沖縄県県知事 翁長 雄志 殿

環境省環境大臣 望月 義夫 殿

林野庁長官 今井 敏 殿

 

 

    日本森林生態系保護ネットワーク(CONFE Japan)

代  表   金 井 塚   務

            (連絡先・事務局)

           札幌市中央区大通西11丁目北海ケミカル札幌ビル7階

                  弁護士法人 市川・今橋法律事務所

                  TEL011(281)3343 FAX011(281)3383

             事務局長   弁護士 市  川  守  弘

           命の森やんばる訴訟原告団

             団  長   平  良  克  之

           命の森やんばる訴訟弁護団

             団  長   弁護士 関  根  孝  道

やんばるDONぐりーず

  共同代表   弁護士 喜  多  自  然

         弁護士 赤  嶺  朝  子

            (上記3団体連絡先)

那覇市松尾2-17-34   沖縄合同法律事務所

                    弁護士 喜  多  自  然

                 TEL098(917)1088 FAX098(917)1089

 

抗議声明の趣旨

 我々は,国頭村有地において現在進行中の伐採に対して抗議の意思を表明するとともに,下記のとおり緊急に提言する。

1 国頭村有地において現在進行中の伐採を直ちに中止すること

2 今後やんばるの森林の伐採を行わず保全・保護のためのあらゆる方策をとること

 

抗議声明の理由

1 はじめに

  我々は,世界に二つとない国頭村内のやんばるの類い希なる貴重な自然と,そこに生息する動植物相や生態系に,長年にわたり大いなる関心を抱き,かつ無原則的ともいえる林道の開設や森林の伐採が貴重な自然環境と生態系及び沖縄諸島に固有な動植物相に致命的ともいえる傷を残し,破壊するものとして,非常に大きな関心と危惧を抱いている団体である。

2 伐採の概要と本件各伐採地の現状

(1)国頭村内のやんばるにおいては,現在,下記の3か所において伐採が行われている(以下まとめて「本件各伐採地」という。)。

  ① 字宜名真・吉波山1284-1(49林班) 4.87ha

  ② 字奥・奥山2335-1(56林班)    0.59ha

  ③ 字佐手・大川山788-1(35林班)   0.87ha

   いずれの伐採については,伐採方法は皆伐と指定されている。

(2)本件各伐採地の森林は,国頭村と国頭村森林組合との間で締結された立木売買契約書には,次のような樹種で構成されている旨記載されている。

伐採地① イタジイ・イジュその他広葉樹

伐採地② イタジイその他広葉樹

伐採地③ イタジイ・イジュその他広葉樹

やんばるの森林は,イタジイやイジュを中心とした常緑広葉樹林であり,本件各伐採地はいずれもやんばるの森林の本来の植生で構成された,いわゆる天然林と呼ぶことができる森林である。

本件各伐採地内のごく一部の区域を標準値として毎木調査を行った結果によっても,直径15センチメートル以上の樹木が多数存在することが確認されている(平成26年度標準値毎木調査野帳)。

3 伐採の問題点1【自然環境の破壊】

(1)本件各伐採地はいずれも,やんばるの生態系を維持する上で必要不可欠な場所に位置し,希少種,固有種の重要な生息場所になっている場所である。これらの場所について,皆伐という生態系に最も悪影響を与える伐採が行われることによって,やんばるの生態系に致命的な影響を与えるものである。

(2)我々は,本件各伐採地周辺を視察したが,その際にも,本件各伐採地周辺がイタジイを中心としたやんばるの代表的な自然林が残っている場所であることが確認できた。本件各伐採地においては,ノグチゲラが営巣可能な巨木が多数伐採されている。

(3)このまま伐採が行われることになれば,これらの希少種,固有種の生息地が失われるばかりではなく,上記以外の生物の生活環境が破壊され,やんばるの生態系そのものが破壊される結果に繋がる。沖縄県は現在やんばる地域の世界自然遺産への登録を目指す旨表明しているが,このような伐採が継続すれば世界自然遺産登録も到底困難になることは明らかである。

(4)本件各伐採地を生息地とする希少種,固有種は多数存在するが,その代表的なものとして下記の動物がいる。

  ア ノグチゲラ

国指定特別天然記念物(文化財保護法)

国内希少野生動植物種(種の保存法)

絶滅危惧ⅠA類(環境省版及び沖縄県版レッドデータブック)

 イ ヤンバルクイナ

   国指定天然記念物(文化財保護法)

国内希少野生動植物種(種の保存法)

絶滅危惧ⅠB類(環境省版及び沖縄県版レッドデータブック)

   文化庁長官の許可を得ずに天然記念物の生息地を破壊等その保存に影響を及ぼす行為を行った場合は,ノグチゲラ及びヤンバルクイナについては文化財保護法197条,同125条1項に違反し,刑事罰の対象となる。本件各伐採地において伐採を継続する行為も,天然記念物の生息地を破壊する行為である以上,刑事罰の対象となりうる。

4 伐採の問題点2【低廉な金額での立木の払下げ】

上記のとおり,本件の伐採については,国頭村と国頭村森林組合の間で立木売買契約が締結されているが,下記のとおりの金額で売買(払下げ)がなされている。

伐採地① 49万7297円 用材・チップ本数4140本

伐採地② 16万7762円 用材・チップ本数885本

伐採地③ 16万6407円 用材・チップ本数957本

上記のとおり,国頭村民の貴重な財産である本件各伐採地の森林が,上記のように極めて低廉な金額で払下げになっていること自体極めて大きな問題である。

また,払下価格の根拠となる立木価格算定の過程を見ると,オガコ・チップ材の立木価格はとくに金額が低廉であり,用材の黒字分により,全体で数十万円の黒字となっているにすぎない。これは,とくにオガコ・チップ材については,立木伐採の経費が材の市場単価を若干下回っているにすぎず,ほとんど黒字は見込めない状態にあることを意味しており,この点からしても本件各伐採に合理性がないことは明らかである。

5 まとめ

 我々は,やんばるの類い希なる貴重な自然が,これ以上,無原則的な開発行為(森林伐採,林道建設等)により,無残に破壊されることは,許されざる行為であると考える。現在行われている伐採行為は,少なくとも文化財保護法に明らかに抵触する。また,社会的,経済的にみても国頭村民及び将来を継承する次世代の沖縄県民にとって極めて大きな損失となるものである。

 やんばる地域の世界自然遺産登録を目指している沖縄県が,このような自体を容認,放置するのは,行政として矛盾した対応である。

 我々は,毎年行われる上記のような伐採に対して抗議の意思を表明してきたが,本年度もなお伐採が継続していることは極めて遺憾である。

 やんばるの森林は,沖縄県民にとどまらず日本国民全体にとっても,大切な自然の宝であり,また国際的にも貴重な自然財産である。我々は,やんばるの自然をこれ以上破壊せず,やんばるの自然を保全・保護する方策を採るよう,提言する。

以 上

【添付資料】写真

添付写真

【本件伐採地1】

<本件伐採地1の伐採状況。広範囲に皆伐されている。>

 

 

<本件伐採地1の伐採状況。広範囲に皆伐されている。>

 

<本件伐採地1の伐採状況。遠方からでも広範囲の伐採が目に付く。>

 

【本件伐採地2】

<本件伐採地2の伐採状況。太い木が多数伐採されている。>

 

<本件伐採地2の伐採状況。太い木が多数伐採されている。>

 

<本件伐採地2の伐採状況。太い木が多数伐採されている。>

 

<本件伐採地2の伐採状況。沢の周辺にあった太い木が伐採されている。>

 

<本件伐採地2の伐採状況。山腹にあった太い木が伐採されている。>

 

<本件伐採地2の伐採状況。沢の周辺にあった太い木が伐採されている。>

 

<本件伐採地2の伐採状況。沢の周辺にあった太い木が伐採されている。>

 

【本件伐採地3】

<本件伐採地3の伐採状況>

 

<本件伐採地3の伐採状況>

 

<本件伐採地3の背後の森林。イタジイを中心としたやんばるの自然林が残る>

 

<本件伐採地3の背後の森林。イタジイを中心としたやんばるの自然林が残る>

2014年12月17日(水)

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