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取扱い弁護団事件

 

3月18日【命の森やんばる訴訟】の判決及び報告会について

 

◇命の森やんばる訴訟 判決

日時:2015年3月18日(水) 14時

場所:那覇地方裁判所

◇報告会について

タイトル:(仮)世界自然遺産登録とやんばるの森の未来

日時:3月18日 午後6時30分~8時30分

場所:沖縄県立博物館・美術館 博物館講座室

参加費:無料

報告者(各20分)
市川守弘弁護士:命の森やんばる訴訟、判決報告
喜多自然弁護士・赤嶺朝子弁護士(やんばるDONぐり~ず共同代表):(仮)やんばるの森の現状、14年度の伐採地視察報告
(仮)奥間川流域保護基金:(仮)トラスト運動の現状と課題
金井塚務氏(広島フィールドミュージアム):生物多様性条約、世界自然遺産登録、やんばるの森保護のために何が必要か

質疑、ディスカッション等

2015年03月10日(火)

国頭村長・国頭村議会議長・国頭村森林組合に対してやんばるの森林伐採をやめるよう抗議声明を出しました

 

 当事務所の喜多と赤嶺が代表を務めるやんばるDONぐり~ず、日本森林生態系保護ネットワーク(CONFE Japan)、命の森やんばる訴訟原告団、命の森やんばる訴訟弁護団の連名で、国頭村長、国頭村議会議長、国頭村森林組合に対し、やんばるの森林伐採をこれ以上行わずに保護・保全するように求める抗議声明を送りました。

 沖縄県知事、環境大臣、林野庁長官宛にも送付しています。

 以下、抗議声明の全文及び添付資料(写真)です。

 

 

抗 議 声 明

 

2014年12月16日

国頭村村長  宮城 久和 殿

国頭村議会議長  金城 利光 殿

国頭村森林組合 代表理事組合長 西銘 生喬 殿

 

(参考送付先

  沖縄県県知事 翁長 雄志 殿

環境省環境大臣 望月 義夫 殿

林野庁長官 今井 敏 殿

 

 

    日本森林生態系保護ネットワーク(CONFE Japan)

代  表   金 井 塚   務

            (連絡先・事務局)

           札幌市中央区大通西11丁目北海ケミカル札幌ビル7階

                  弁護士法人 市川・今橋法律事務所

                  TEL011(281)3343 FAX011(281)3383

             事務局長   弁護士 市  川  守  弘

           命の森やんばる訴訟原告団

             団  長   平  良  克  之

           命の森やんばる訴訟弁護団

             団  長   弁護士 関  根  孝  道

やんばるDONぐりーず

  共同代表   弁護士 喜  多  自  然

         弁護士 赤  嶺  朝  子

            (上記3団体連絡先)

那覇市松尾2-17-34   沖縄合同法律事務所

                    弁護士 喜  多  自  然

                 TEL098(917)1088 FAX098(917)1089

 

抗議声明の趣旨

 我々は,国頭村有地において現在進行中の伐採に対して抗議の意思を表明するとともに,下記のとおり緊急に提言する。

1 国頭村有地において現在進行中の伐採を直ちに中止すること

2 今後やんばるの森林の伐採を行わず保全・保護のためのあらゆる方策をとること

 

抗議声明の理由

1 はじめに

  我々は,世界に二つとない国頭村内のやんばるの類い希なる貴重な自然と,そこに生息する動植物相や生態系に,長年にわたり大いなる関心を抱き,かつ無原則的ともいえる林道の開設や森林の伐採が貴重な自然環境と生態系及び沖縄諸島に固有な動植物相に致命的ともいえる傷を残し,破壊するものとして,非常に大きな関心と危惧を抱いている団体である。

2 伐採の概要と本件各伐採地の現状

(1)国頭村内のやんばるにおいては,現在,下記の3か所において伐採が行われている(以下まとめて「本件各伐採地」という。)。

  ① 字宜名真・吉波山1284-1(49林班) 4.87ha

  ② 字奥・奥山2335-1(56林班)    0.59ha

  ③ 字佐手・大川山788-1(35林班)   0.87ha

   いずれの伐採については,伐採方法は皆伐と指定されている。

(2)本件各伐採地の森林は,国頭村と国頭村森林組合との間で締結された立木売買契約書には,次のような樹種で構成されている旨記載されている。

伐採地① イタジイ・イジュその他広葉樹

伐採地② イタジイその他広葉樹

伐採地③ イタジイ・イジュその他広葉樹

やんばるの森林は,イタジイやイジュを中心とした常緑広葉樹林であり,本件各伐採地はいずれもやんばるの森林の本来の植生で構成された,いわゆる天然林と呼ぶことができる森林である。

本件各伐採地内のごく一部の区域を標準値として毎木調査を行った結果によっても,直径15センチメートル以上の樹木が多数存在することが確認されている(平成26年度標準値毎木調査野帳)。

3 伐採の問題点1【自然環境の破壊】

(1)本件各伐採地はいずれも,やんばるの生態系を維持する上で必要不可欠な場所に位置し,希少種,固有種の重要な生息場所になっている場所である。これらの場所について,皆伐という生態系に最も悪影響を与える伐採が行われることによって,やんばるの生態系に致命的な影響を与えるものである。

(2)我々は,本件各伐採地周辺を視察したが,その際にも,本件各伐採地周辺がイタジイを中心としたやんばるの代表的な自然林が残っている場所であることが確認できた。本件各伐採地においては,ノグチゲラが営巣可能な巨木が多数伐採されている。

(3)このまま伐採が行われることになれば,これらの希少種,固有種の生息地が失われるばかりではなく,上記以外の生物の生活環境が破壊され,やんばるの生態系そのものが破壊される結果に繋がる。沖縄県は現在やんばる地域の世界自然遺産への登録を目指す旨表明しているが,このような伐採が継続すれば世界自然遺産登録も到底困難になることは明らかである。

(4)本件各伐採地を生息地とする希少種,固有種は多数存在するが,その代表的なものとして下記の動物がいる。

  ア ノグチゲラ

国指定特別天然記念物(文化財保護法)

国内希少野生動植物種(種の保存法)

絶滅危惧ⅠA類(環境省版及び沖縄県版レッドデータブック)

 イ ヤンバルクイナ

   国指定天然記念物(文化財保護法)

国内希少野生動植物種(種の保存法)

絶滅危惧ⅠB類(環境省版及び沖縄県版レッドデータブック)

   文化庁長官の許可を得ずに天然記念物の生息地を破壊等その保存に影響を及ぼす行為を行った場合は,ノグチゲラ及びヤンバルクイナについては文化財保護法197条,同125条1項に違反し,刑事罰の対象となる。本件各伐採地において伐採を継続する行為も,天然記念物の生息地を破壊する行為である以上,刑事罰の対象となりうる。

4 伐採の問題点2【低廉な金額での立木の払下げ】

上記のとおり,本件の伐採については,国頭村と国頭村森林組合の間で立木売買契約が締結されているが,下記のとおりの金額で売買(払下げ)がなされている。

伐採地① 49万7297円 用材・チップ本数4140本

伐採地② 16万7762円 用材・チップ本数885本

伐採地③ 16万6407円 用材・チップ本数957本

上記のとおり,国頭村民の貴重な財産である本件各伐採地の森林が,上記のように極めて低廉な金額で払下げになっていること自体極めて大きな問題である。

また,払下価格の根拠となる立木価格算定の過程を見ると,オガコ・チップ材の立木価格はとくに金額が低廉であり,用材の黒字分により,全体で数十万円の黒字となっているにすぎない。これは,とくにオガコ・チップ材については,立木伐採の経費が材の市場単価を若干下回っているにすぎず,ほとんど黒字は見込めない状態にあることを意味しており,この点からしても本件各伐採に合理性がないことは明らかである。

5 まとめ

 我々は,やんばるの類い希なる貴重な自然が,これ以上,無原則的な開発行為(森林伐採,林道建設等)により,無残に破壊されることは,許されざる行為であると考える。現在行われている伐採行為は,少なくとも文化財保護法に明らかに抵触する。また,社会的,経済的にみても国頭村民及び将来を継承する次世代の沖縄県民にとって極めて大きな損失となるものである。

 やんばる地域の世界自然遺産登録を目指している沖縄県が,このような自体を容認,放置するのは,行政として矛盾した対応である。

 我々は,毎年行われる上記のような伐採に対して抗議の意思を表明してきたが,本年度もなお伐採が継続していることは極めて遺憾である。

 やんばるの森林は,沖縄県民にとどまらず日本国民全体にとっても,大切な自然の宝であり,また国際的にも貴重な自然財産である。我々は,やんばるの自然をこれ以上破壊せず,やんばるの自然を保全・保護する方策を採るよう,提言する。

以 上

【添付資料】写真

添付写真

【本件伐採地1】

<本件伐採地1の伐採状況。広範囲に皆伐されている。>

 

 

<本件伐採地1の伐採状況。広範囲に皆伐されている。>

 

<本件伐採地1の伐採状況。遠方からでも広範囲の伐採が目に付く。>

 

【本件伐採地2】

<本件伐採地2の伐採状況。太い木が多数伐採されている。>

 

<本件伐採地2の伐採状況。太い木が多数伐採されている。>

 

<本件伐採地2の伐採状況。太い木が多数伐採されている。>

 

<本件伐採地2の伐採状況。沢の周辺にあった太い木が伐採されている。>

 

<本件伐採地2の伐採状況。山腹にあった太い木が伐採されている。>

 

<本件伐採地2の伐採状況。沢の周辺にあった太い木が伐採されている。>

 

<本件伐採地2の伐採状況。沢の周辺にあった太い木が伐採されている。>

 

【本件伐採地3】

<本件伐採地3の伐採状況>

 

<本件伐採地3の伐採状況>

 

<本件伐採地3の背後の森林。イタジイを中心としたやんばるの自然林が残る>

 

<本件伐採地3の背後の森林。イタジイを中心としたやんばるの自然林が残る>

2014年12月17日(水)

辺野古埋立承認取消訴訟について-訴訟経過報告と沖縄県知事選挙-

 

弁護士 白     充

1 はじめに-新基地建設は「承認」できません
  2013年12月27日、沖縄県仲井真弘多知事は、国がした辺野古沿岸部の公有水面埋立て申請を承認した。この承認は、沖縄県知事が歴史上初めて、沖縄での新基地建設を「承認」したものであった。
  しかし、県知事が埋立てを承認したとしても、沖縄県民が新基地建設を承認した訳ではない。
辺野古周辺住民を含む194名の住民は、県を被告(相手方)として、仲井真知事がなした公有水面埋立承認処分(以下、「本件処分」という。)の取消しと、本件処分の効力の停止を求め、取消訴訟及び執行停止(以下、まとめて「本件訴訟」という場合がある。)を提起した。現在、原告は計687名である。
  2014年9月10日は、本件訴訟の第3回口頭弁論期日が開かれた。
  ここでは、これまでの訴訟の経過を、簡単に報告したいと思う。

2 訴訟の経過-県の従来の立場と矛盾する主張
  これまでの経緯及び双方の主張の概要は、下の表のとおりである。
(1)本案訴訟
  県は、本件承認の処分性と、原告らの原告適格を否定した。
県が原告適格を争点としてくることは想定内であったが、県が処分性についてまで争点としたのは意外であった。県としては、①原告適格を否定する以上、原告への影響そのものが無いことを前提とすべきではないか、という論理性の問題もさることながら、②さすがに辺野古漁民の原告適格を否定することはできず、また、本案判断に持ち込まれると不利な面もあるので、処分性を争点としておきたい、という、いわば危機感の問題という2つの面から、処分性を争うことにしたものではないかと、個人的には考えている。
  今回の第3回口頭弁論期日では、原告適格について、公有水面埋立法や環境影響評価法の解釈から、「埋立又はその後の施設利用により、生命、身体、生活環境(生活環境に密接に関連する財産、生態系含む)に係る著しい被害を直接的に受けない利益」を有する者については、原告適格が認められることを主張した。今後、住民らに生じる個別具体的な損害(騒音被害等)について、順次主張する予定である。
(2)執行停止
  執行停止申立てに対する県の主張は、概要、次のとおりである。
  <普天間飛行場周辺住民は、基地の存在によって日々あらゆる危険にさらされている。しかし、執行停止決定が出ると、辺野古への移設が進まず、普天間飛行場の危険性は固定化されるため、「公共の福祉に重大な影響を及ぼすおそれ」がある。他方、辺野古沿岸部に基地ができることにより、辺野古住民が被る騒音等の不利益は、金銭賠償等で解決できるため、「重大な損害」とはいえず、前記「公共の福祉」に比べても弱いものである。したがって、執行停止は、その要件を満さない。>
  これに対し、住民側は、<普天間基地周辺に生じている危険は移設によってどうにかしなければいけないけれど、辺野古周辺に生じている危険は金銭賠償等によって解決できるというのは、矛盾している。あるいは、辺野古を軽視している。>と主張した。
  また、住民側は、この主張が従来の県の主張とも矛盾していることを指摘した。すなわち、仲井真県知事は、2013年11月1日の定例記者会見において、普天間飛行場の移設先とされる名護市辺野古沿岸部の埋め立てを知事が承認しなければ、普天間が固定化するとの考えが政府内にあることについて、「固定化という発想、言葉が出てくるのは一種の堕落だ」、「(役人が)固定化と軽々言うのは自分が無能だと表現することだ。重要なポストに置くべきではない」と述べているのである。
  「辺野古に移設がされなければ、普天間基地は固定化する」
  この主張は、ほんの数ヶ月前に、県知事自身が批判したものであったが、今となっては、県がこの主張をするようになってしまったのである。
  今後は、原告適格論と並行して、住民らに生じる個別具体的な損害(騒音被害等)を指摘し、住民らに重大な損害が生じることを主張する予定である。

3 次回期日について-県知事選との関係
  次回期日は、2014年11月26日である。
  その約1週間前、同月16日には、沖縄県知事選が行われる。
  県知事選には、①辺野古移設推進を掲げる現職の仲井真知事、②辺野古移設反対を掲げる翁長元那覇市長、③辺野古移設の是非を問う住民投票を行うことを掲げる下地元郵政相、④辺野古移設「撤回」を掲げる喜納前民主党県連代表が立候補を表明している。
  ほんの数ヶ月で、自己矛盾する主張をし、辺野古新基地建設を承認する現職が選ばれるのか、それとも、これに反対する者が選ばれるのか。
  「今回の訴訟は、沖縄の民意を反映した訴訟である。」
  次回期日において、そう胸を張って言えるかどうかは、きたる県知事選の結果に委ねられているといっても過言ではないだろう。
  本件訴訟と共に、11月の沖縄県知事選にも、ご注目いただきたい。
以上

(※本稿は自由法曹団通信1504号に掲載されたものです)

 

辺野古 第一回期日

 

 

2014年10月28日(火)

8月2日開催シンポジウム「ハンセン病在宅治療者の被害を考える~隠れて生きるということ~」のお知らせ

 

2014年8月2日(土)午後2時から
ホテルグランビューガーデン沖縄(豊見城市豊崎3-32)の会議室において、
シンポジウム「ハンセン病在宅治療者の被害を考える~隠れて生きるということ~」が開催されます。
主催は、ハンセン病訴訟西日本弁護団(連絡先:沖縄合同法律事務所 TEL098-917-1088)です。

 

8月3日には午後1時~午後4時の時間帯に「在宅治療者ホットライン」の特別電話相談で弁護士が相談に応じます。ホットラインはTEL098-938-4381にお電話ください。

 

20140802ハンセンシンポl


過去の関連記事 2013年10月27日 琉球新報
被害、表面化難しく ハンセン病在宅治療者「問題終わってない」
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-214429-storytopic-1.html

2014年07月25日(金)

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取り扱い弁護団事件

 

 

事務所通信

事務所NEWS no.14(2019年1月号)

「翁長知事を悼む」弁護士加藤裕/「相続法改正と憲法 異な...

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