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ご存じですか?~B型肝炎訴訟&C型肝炎訴訟~
弁護士 上原智子
腹部の右上に位置する肝臓は、栄養素を変化させて貯蓄する代謝機能、アルコールなどを中和する解毒作用、脂肪を消化するために必要な胆汁を作る消化機能をもっています。肝臓は、私たちが健康な毎日を過ごすために、文字通り肝心要(かんじんかなめ)の臓器なのです。
しかし、私たちの身の回りには、慢性肝炎、肝硬変、肝癌などの肝臓病に苦しむ方が少なくありません。肝臓病の原因はいくつか考えられますが、我が国では、アルコールなどよりは、B型やC型の肝炎ウイルスが血液などに感染して起こるウイルス性の肝臓病が多いと言われています。
では、B型やC型の肝炎ウイルスはどのような経路で感染するのでしょうか。それぞれの感染経路は判明しているだけでもいくつかありますが、重大なのは、病気を予防するために義務付けられた乳幼児期の予防接種(B型)や出産などでの大量出血を抑えるために投与された特定の血液製剤(C型)で相当数の方が感染したという事実です。
予防接種や血液製剤で感染した方(被害者)が国などの責任を問う裁判を起こし、政治や世論に働きかけるなど地道な活動を積み重ねて、それぞれの被害者を一律に救済(給付金を支給)するための法律が制定されました。これらの法律の適用を受けるためには国を相手に裁判を起こす必要がありますが、全国に弁護団が結成され、既に多くの被害者が国と和解して給付金の支給を受けています。
我が国の肝炎ウイルスの持続感染者は、B型が110万人~140万人、C型が190万人~230万人存在すると推定されています。自覚症状がないことが多いため、適切な時期に治療を受ける機会がなく、本人が気づかないうちに肝硬変や肝癌へ移行する危険があります。
肝炎ウイルスの保有の有無についてご不明な方は、保健所などで無料検査も行われていますので、早めのご確認をおすすめします。また、B型やC型の肝炎ウイルスに持続感染している方は、B型肝炎訴訟やC型肝炎訴訟の詳細について、当事務所(098-917-1088)まで、ご遠慮なくお問い合わせ下さい。(当事務所はB型肝炎訴訟九州弁護団の沖縄での窓口となっています)
2015年05月26日(火)
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